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書評のようなもの(仮)

SF、ラノベ、漫画、音楽なんかの記事をgdgd書いたり、DTMして遊んだり。

Know/野崎まど

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

 

ラノベ作家・野崎まどの本格SF。最近発売したSFで好評だったので手にとってみたのですが、期待以上の傑作でした。作家名くらいしか聞いたことのない方でしたが、せっかくなので他の小説も読んでみたい。

物語の舞台となるのは、高度に情報化した2081年の京都。「情報材」という新素材の開発によって、全く新しいネットワークが生まれ、今よりも遥かに多くの情報で溢れる未来社会です。大量の情報を扱うために、ほとんどの人間がコンピューターを脳内に埋め込み、日常生活のあらゆる場で活用してます。知りたい情報をネットからいつでも脳に直接ダウンロードできるため、知らないことがあっても、すぐさま「知る」ことが出来る。何もかもがネットに頼りきった時代。

本書は、そんな超情報化社会によって膨大な知識を得ることが可能になった人類の進化を描いた物語なのですが、この結末が本当に凄い。もし、あらゆる情報(知識)を無尽蔵に回収できるコンピューターを扱えるほどの脳を持つヒトがいたとすれば、たしかにこんな衝撃的な未来が誕生しても変ではないのかもしれない……。僕は、まっさきに人類進化の結末は「神(全ての知識を持つ者)」なのかと想像していたのですが、さすがにそれは安易すぎた。そうなる前にまずヒトとして知るべき未知の領域があるのだという事に気付くべきだった。ヒトである以上、そこへは絶対に踏み込むことが不可能な場所なのですが、本書は、とんでもないアイデアで、そこへと辿りついてしまうのです。このラストには、とにかく意表を突かれました。