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書評のようなもの(仮)

SF、ラノベ、漫画、音楽なんかの記事をgdgd書いたり、DTMして遊んだり。

プランク・ダイヴ/グレッグ・イーガン

SF
プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

 

現在刊行されているイーガン短篇集のなかで最もハードと評判のある一冊ですが、表題作以外はけっこう読めるものが多かった。「暗黒整数」や「ワンの絨毯」は確かにハードですが、その分、解説が丁寧ですので、それを頼りにしながら読むと理解不能という自体だけは回避できます(表題作はそれでも難解)。というより、「暗黒整数」は、イーガン短篇集の『ひとりっ子』に収録された「ルミナス」の続編ですし、世界観や設定そのものは、事前に把握済みの方が多いのではなかろうか。

「ワンの絨毯」は、長編の『ディアスポラ』のストーリーと共通点があるそうですが、こっちは未読なのでなんともいえません。ですが、ある法則を基盤にした仮想空間が宇宙のように複雑化しながら拡大するというアイデアの核は、『順列都市』を彷彿とさせます。ライフゲイムを基盤にした「人工宇宙オートヴァース」や、「塵理論」などがそう。

その他の短篇は、とりわけ楽に読めるものばかりで、苦戦することはありませんが、それぞれ深いテーマを内包していますので、なかなか侮れません。仮想世界で創造した人工生命に倫理を持ち込む「クリスタルの夜」なんかは特に好み。イーガンの視点からすると「仮想と現実」のあいだに七面倒な障壁など存在しないのかもしれない。

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

 
順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

 
順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

 
ライフゲイムの宇宙

ライフゲイムの宇宙