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書評のようなもの(仮)

SF、ラノベ、漫画、音楽なんかの記事をgdgd書いたり、DTMして遊んだり。

クビシメロマンチスト/西尾維新 

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)戯言シリーズ2作目。

「烏の濡れ羽島」での密室殺人事件(1作目)を終え、いつもの学園生活に戻った主人公が、今度は、クラスメイト達が次々殺害される首締め連続殺人事件に巻き込まれていく。連続殺人鬼・零﨑人識との初対面も含め、登場人物達の様々な思惑が錯綜する今巻。

表紙の巫女子といい、そのフレンドの友恵といい、かわいい美少女がたくさん登場するのですが、まさかその誰もがあんな酷い目にあうとは予想外だった。もっと丸く収まるのかと思ってましたが、そんなことはなく、ミステリらしい陰惨な展開だったといえます。語り手の虚言の多さにしても、何回も反転する事件の真相にしても、ラストまで気の抜けない仕掛けが満載で、推理なんて不可能に近い。なので、物語に、一方的に振り回されるしかないのですが、それがめっぽう楽しかったりします。

ミステリとしての魅力はさておき、今巻は、登場人物達のナイーブな心理が事件と密接に絡んだ青春ものでもあります。彼等の心のうちが明らかになるにつれ、ダイイングメッセージの意味や、プロローグの会話、さらにはアトガキの言わんとしていることが、ぼんやりとみえてきます。とくに、巫女子と主人公の心理は作中キーワードとなる「鏡」という言葉と深く関係しているのではないかと。

「他人は自分を映す鏡」なんて言葉があります。他人の言動にイラッとしたり、嫌悪したりするのは、その他人と似たような醜い部分が自分にもあるからなのだそうです。つまり、他人に自分を重ねてみているワケです。

本作は、自身のその醜い部分に気付いてしまった彼女が、その醜さを自分で許容し、気になる彼にも受け入れてもらおうとします。そして、心ない彼の言葉で拒絶され壊れてしまう、そんなお話です。なんで彼が、あんなことを言ったのかというと、彼女に自分を重ねていたからではないかと。このあたりは彼の過去が絡んでいるためハッキリとはわかりません。続編で明かされるはず・・・・・・。