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書評のようなもの(仮)

SF、ラノベ、漫画、音楽なんかの記事をgdgd書いたり、DTMして遊んだり。

クビツリハイスクール/西尾維新

ライトノベル ミステリ

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社ノベルス)

戯言シリーズ3作目。

最強の請負人・哀川潤の仕事のアシスタントを主人公が強引にやらされる今巻は、いつも以上にハードなストーリーでした。仕事の内容としては、ある学園に監禁された美少女(紫木一姫)の救出が目的となるのですが、これがまた一筋縄ではいかない。なぜなら、その学園の正体は謎の巨大組織が管理するスパイ養成所だったのだから・・・・・・。

1作目も2作目も大量に人が殺されるので、構えて読んだワケですが、今回は、その予想をはるかに上回る殺戮劇でした。もう、登場人物のほとんどが無残な姿となって発見されます。しかも、学園という「閉じた空間」で起こるものだから、こんな大事件があっても何者かの操作によって難なく隠蔽できてしまう。本書は、そんな閉鎖的空間が可能にした最悪の展開だったといえます。

哀川潤や主人公も紫木一姫を救出する過程で、そうした学園の闇を知ることになります。もちろん、知ってしまった以上、内部の者が黙って見逃すはずもなく、訓練された生徒達に命を狙われる羽目になるのですが、主人公達だって無為に殺られたりしません。まさか、ミステリから異能バトルに発展するなんて思ってもみなかった。

今巻は、ミステリの他にも前述した異能バトルやサスペンスなんかが混ざってなかなかスリリングでした。様々な要素を取り入れたエンタメ小説といった感が前シリーズよりも強かった印象を受けます。これといったテーマがないとアトガキにも書いてあるくらいですので、エンタメとして素直にワクワクした方が楽しめるのかもしれません。

ただ、紫木一姫の姿に昔のいーちゃんを重ねて心を乱されたり、哀川潤に認めてもらいたかったりする、主人公の不安定な心理は重要かもしれない。今後、彼がどう変化するのかしないのか、全くもって謎ですが気になるところではあります。