書評のようなもの(仮)

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後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール/石川博品

後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫)

この前読んだ『ヴァンパイア・サマータイム』が良かったので、新作の方も読んでみた。今作は、ラノベには珍しい「野球」を題材にしたもので、舞台や設定もかなり風変わりです。

大白日(セリカン)帝国という野球で栄えた異国が舞台なのですが、物語は、そこの皇帝に親を殺された少年・海功(カユク)の視点から描いてある。皇帝を暗殺するために女装して後宮に紛れ込んだ彼は、美少女だらけのその楽園で、皇帝の寵愛を得るための熾烈な野球戦争に身を投じるのです。

太字の部分がとくに重要なんですが、つまりこれどういうことかといいますと、「後宮に住む美少女達に野球の試合をさせて、実力のある美少女を夜の相手として皇帝が選抜する」ってことです。皇帝に気に入られたら裸にひんむかれて、そのままベッドインするわけです。その瞬間を狙って海功は皇帝を暗殺しようと企んでいるらしい。もちろん、選ばれた美少女は後宮での待遇もハネ上がるのでその座を狙っているのは海功のみならず皆いっしょなんですが。あまりにも必死になりすぎて野球の試合をする度に乱闘が起こるってのはどうなんだコレ。美少女同士が拳をふるって本気で殴り合っている描写がなんとも凄まじい……。

 そんな混じりけのない女同士のぶつかりあいも、今作の魅力といえば魅力なんですが、美少女達とのキャッ(×2)ウフフな後宮での共同生活もひじょうに魅力的です。というかエロいです。海功以外は、みな女しかいないと思い込んでいるものだから、いろいろ開放的になっている。

そんな楽園みたいな場所で、海功は、ほかの美少女達と戯れたり、友情を育んだりするワケですが、そうしている内に、ここの生活がだんだん心地よく感じてきます。本来の目的は皇帝の暗殺なのですが、後宮が楽園すぎたあまり、決心したはずの心がぐらぐら揺れる描写は今後も重要なポイントになってきそう。不安定な自身の心にどう折り合いをつけて目的を果たすのか、それとも違う方向にシフトするのか、続巻の展開が気になるところです。